こんにちは、プリンシプルズの藤波です。
Facebookで、東大の修士課程に在籍する岩澤さんがオンライン授業を受けた感想と提案をまとめた面白いNOTEが流れてきました。
Zoomを使って、社会人向けの「ゼミ」を2年以上運営していたことが思い出され、懐かしく思うと同時に、最近のオンライン授業化で世の中ではこういうことで躓く人がいるんだなということがわかりました。
というわけで、NOTEで挙げられている課題に自分がどう対応したかを、簡単にまとめてみたいと思います。岩澤さんのNOTEの構成を拝借しますので、左記に上記のNOTEをご覧下さい。(岩澤さん、役立つ投稿をありがとうございます)
前提
- 私がやっていた授業は1コマ約150分
- Zoomを用いたゼミ形式の双方向授業
- 受講者は10人までの少人数制
Zoom授業の共通課題
授業開始時刻に全員が揃わない/接続トラブルで出席できない人が必ずいる
初回は開始10分~15分前からミーティングをオープンにし、参加者の接続テストやトラブルシューティングに充てる時間を必ず確保していました(事前に、接続方法について詳細なインストラクションは行った上で)。2回目以降も、時間に余裕を持ってつないでおくよう促していました。
補足ですが、音声まわりでもトラブルが1人でもいると全体に影響を与えて望ましくないので、ヘッドセットを原則として利用するようインストラクションをしていました。マイク+スピーカーでハウリングをしたり、音声レベルが低かったりすると、対応に時間をとられるので。
通常の教室の授業よりも疲れやすい
私はスパルタ式でやっていたので、休憩なしでした。双方向で講師からバシバシ質問を当てれば、疲れこそすれ、集中力が切れることはないはずです(笑)。もちろん、これは状況によります。
資料共有が大変
はじめは、事前に資料をメールで送付していたのですが、大変すぎてチャット(当時はChatwork)で資料を共有する形に切り替えました。しかし、それも大変で、Googld DriveやBoxなど共有サービスでファイル共有をする形に落ち着きました。なお、それすら手間がかかって面倒なので、最終的に自前でラーニングシステムを開発しました。
授業形態ごとの課題と解決策&リクエスト~完全オンデマンド型授業(講義)
わからない点があっても、講師や受講者に質問がしにくい
オンライン授業ではコミュニケーションビルディングがしにくいので、コミュニティを同時に組成することが望ましいです。私は、Chatworkでグループを作って質問や議論を歓迎していました。チャットで議論すると、履歴が残り参加者が確認しやすいのも利点です。
音声+スライドの場合、どのタイミングでスライドを進めるべきなのかわからない。
音声のみを配信する、という形式があるみたいですね。私は、その形式はわかりにくいと思うので、スライド+音声のビデオを配信するようにしています。
動画でスライドを操作している場合、スライドを戻して確認することが困難
受講者の利便のためにスライドを(全部ではない場合もありますが)PDFで配布していました。加えて、動画とスライドをリンクさせて復習しやすいよう、自前でラーニングシステムを開発しました。
スライドや板書のない動画、音声だと、かなりユニークなものでないと、飽きる
正直なところ、これは教師の教え方(コンテンツ)の問題だと思います。リアルな授業では、目の前に先生がいるので、「聞かなければ」という「圧」が働くわけですが、オンラインでそれがなくなっても聞きたいと思えるかどうか。先生方、頑張ってください!
大人数Zoom授業(講義)の課題
自分がクラスの一員であると感じにくく、学習意欲が停滞しやすい
法人向けで大人数に教える時は、バシバシ指名して質問します。大人数向けをZoomでやったことはないですが、これはリアルもオンラインも同じです。当てられるかもと思うと、聞き手も多少は集中するものです(我が身の経験を振り返っても)。
質問をしてもいいタイミングがわからない
チャットの活用などはもちろん役立ちます。あとは、古典的ですが、頻繁に立ち止まって「ここまでで質問があるか?」と投げかけることに尽きるのかなと。オンラインでは間の空気が伝わりにくいので、質問して欲しい時、考えて欲しい時、など、何をする時間が明示していく工夫が大事です。
スライドを活用しない講義は集中力がきれやすい
何か目に見えるものがある方が受講者は絶対にわかりやすいですね。スライドを作るのが面倒ならワードでも十分に役立ちます。余談ですが、私は営業でもしばしばワードを使います。スライドを作るのは時間がかかりますが、内容はワードで同等にカバーできることは多いので。
少人数Zoom授業(対話・議論)の課題
全体でのディスカッションでは、発話タイミングが難しい
私は、指名して答えてもらう+質問や意見がある人はいますかという投げかけを頻繁にする、ことで対応していました。10人ぐらいまでならこの方式で全員に十分に発言を促せますが、もう少し増えると難しいかもしれません。発言したい人は手をあげる・チャットを使うといったNOTEに記載のやり方が良さそうです。
慣れるまでは、教室での発話よりも緊張する
以前の受講者で、「リアルよりも発言しやすい。(ビデオで)皆の顔が見えるので」という意見がありました。これは受け取り方に個人差があるかもしれません。
目についたところでは、こんなところでしょうか。基本的に、機器がそろえば、リアルの授業もZoomのオンライン授業もできることは大差なく、むしろZoomの方がチャットの活用などできることが多いと思います。
ただ、オンラインではとにかく「空気」が伝わらないので、「何をする時間か」「何をして欲しいか」を講師が声に出して進行することが大事です。相槌の空気も伝わりづらいので、受講者が話している時に「うんうん」と講師がリアクションすることも大事かと(笑)。
個人向けに授業をしていた時、私は、教室まで来る必要がなく移動時間が節約でき、クオリティが対面と同等のZoom受講を積極的に勧めていたのですが、少なくない人たちが「授業は対面がいい」と言って対面受講を選んでいました。一方で、いったん経験してオンライン受講に慣れると、「移動しなくていいので楽」「内容はまったく問題ない」「下半身パジャマでもOK!(笑)」という理由で、積極的にオンライン授業を好むようになる人が多かったです。
オンライン授業は適切に運用すれば必ず教師・受講者双方にメリットがあります。多くの人が、このやり方に慣れるといいなと個人的には思っています。
それではまた。
プリンシプルズ CEO 藤波由剛
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